氷川清話
- 作者: 勝海舟,勝部真長
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1972/04
- メディア: 文庫
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ずっと読みたいと思っていた本。でもなかなか手強くて、ずいぶんと時間がかかってしまった。
幕末から明治維新へと活躍した勝海舟の談話をまとめたこの本は、部分部分を切り取って語るから話の前後を考えなければいけない。特に幕末全体の背景を頭に入れながら読まないと、ちょっと辛いかな。
その分、実際に風雲の幕末を駆け抜けてきた語りには迫力があった。予想通り『勝海舟』という人間は、すごく大きかった。様々なことに目を向けて、幕府存続じゃなく日本存続を考え、幕府方で動いた希有な存在。勝海舟が最も認めた西郷隆盛との「江戸城無血開城」なんかは、危機迫る内容に読み応えがあった。
また、明治維新後から日清戦争まで痛烈なまでに人物評価をしている内容は、現代にも通ずるところがあって面白い。自身も、国内より海外での人気が高かったっていうくらい、特に中国人に慕われてたのもわかる気がする。
ただ坂本龍馬の記載が、ごくわずかだったのは残念だった。勝海舟に影響され慕って動き回った龍馬は、海舟にとってどんな存在だったのだろう。わざと表に出さなかったのだろうか。