津軽通信
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 文庫
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津軽に疎開していた頃に書かれていた、短編集。
短編の中の短編といったような非常に短い短編がいくつかあって、面白かった。自殺をしようと来た上野で、初めて降り立つ若者をいじくり、自殺を1ヶ月延ばしたという『座興に非ず』は良かったし、『親という二字』は田舎の郵便局から始まった話の展開がすごかった。『黄村先生言行録』をはじめ異色を放つ作品が多く疎開暮らしで違った感覚になっていたのかなと思うも、相変わらずの皮肉は健在で数多くの短編に楽しませてもらった。