seigoy's diary

旅人間。山やスキー場、京都、アジア中心に彷徨ってます。それに伴って、カメラや車、パソコンが大好き。

終末のフール

終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)


平積みされていたこの本の帯の
「世界が終わる、その前にあなたは何をしますか?」
って文に目が止まり、買ってしまった。
自分ならやっぱり旅を続けるだろうか。今でも「体が動くうちに」って、彷徨っているのだから…。
この小説は、あと8年で小惑星が衝突し地球が滅亡すると予告されパニックに陥ってめちゃくちゃになり、その5年後に訪れた平穏な生活を送る仙台のマンションが舞台。各世帯で1つの物語になってて、短編小説のように読める。でも、各短編の間には繋がりがあるから面白い。
周りが自殺とか殺人、逃亡などで人口が減っていく中、このマンションで自分たちを見つめ直し前向きに生きようとする姿が良かった。極限の状態で、いろんな立場の人々が、いろんな考えを変化させていく様もいい。
地球滅亡と聞いて暗い小説かなと思っていたのに、実にほのぼのと暖かくなる小説だった。最後の夕方と翌日のところは、読んでてやばかった。