ヴィヨンの妻
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1950/12/22
- メディア: 文庫
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太宰治、晩年期の短編集。「人間失格」と同時期で、終戦後の絶望感たっぷりに書かれている。
よくこんなに自分を追い込んだ世界を書けるものだなあと読んでいて暗くなるんだけれど、その中には社会に対する皮肉あり、ユーモアありで、文章の中に盛り込まれてるものを考えながら読んでると気持ちが入っていける。なんか爽快感さえ感じるから不思議。
特に「ヴィヨンの妻」の生き様は最後にすげぇなぁって思うし、「家庭の幸福」はさすがと言いたくなる終わり方だ。
この本の8編は実に読み応えがあって、もう少し先に再読してみたいと思った。