坂の上の雲(8)
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/07/15
- メディア: 文庫
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ようやく読み終えた。でも、『飛ぶが如く』のように忍耐で読むって感じじゃなく、特に日露戦争後半は先を読みたいって感じだった。実に良くできた歴史小説。
明治維新後、西南戦争が終わり、日本国がようやく1つになった。そこでおこる日露戦争は、小国日本が大国ロシアに挑んでいく無謀といえる戦争。でもロシア帝国の腐敗などもあって、陸軍はかろうじて勝ち進んだ格好で収束していく。そして、東郷・秋山真之の海軍は、バルチック艦隊に対して劇的な勝利をあげる。
こうしてロシアに勝ったという神がかりな出来事は、やがては昭和に入り神がかりな軍隊を作っていき、太平洋戦争に突き進んでいく。
ここまで言っていいものかと思うけれど、全てはこのロシアに勝利したことから始まっているような気がする。そしてこの時代を生きた秋山兄弟と子規は、最後の侍であろうとしたと同時に、現代日本の礎を築いている。ここに目を付けた司馬遼太郎って、やっぱりすげぇなぁ。