seigoy's diary

旅人間。山やスキー場、京都、アジア中心に彷徨ってます。それに伴って、カメラや車、パソコンが大好き。

列車でバンコク、そして

もうパタヤは十分かなと思い、今日は移動することにした。
でも2泊したこのホテルは、700バーツにしてはなかなか良かった。ホットシャワーにバスタブも付いていて、部屋はエアコン付きで清潔。今までで最高グレードの部屋じゃないだろうか。今朝はこのホテルのプールサイドで朝食。かなりいい環境に、このホテルからは離れたくなかったなぁ。
とりあえずバンコクへ戻ろうとして何で帰ろうかなぁと考えていたら、列車でバンコクまで行けることに気がつく。駅まで行けば何とかなるはずと、11時頃ホテルをチェックアウトしバイクタクシーで駅まで向かった。でも、駅は市街地を外れた何にもないところで、列車は1日1本14時発があるだけだった。通りでホテルの人も「良くない」と言った訳だ。
どうしようか迷ったけれど、来たからには乗らないわけにはいかない。何故だかタイやインド、ベトナムの鉄道に乗るときは待ち時間がいつもたっぷりとあり、待つことには慣れている。出発まで3時間、近くを散策したり本読んだりして過ごした。そして1時間前には窓口が開き、切符を買う。バンコクまで31バーツ(100円足らず)の運賃にはビックリでも、14:21発で18:25着の所要4時間にはもっとビックリ。バスと比べたら、運賃は10分の1でも時間は倍以上だった。まあ時間はたっぷりとある。
定刻に機関車が牽いた客車列車がやってきた。10両以上の長い編成の列車は、相変わらず古くて色や車種にも統一性がない。それでも、格好いい、味がある。最近タイでは鉄道がない地方ばかりに行っていて、タイ国鉄に乗るのは5年ぶりくらいだろうか。海外ではベトナム以来で、1年半ぶり。やっぱりこの雰囲気が良過ぎて、入線の写真は失敗してしまった…。
車両(この列車はオール3等車)に乗り込むと、古き良き雰囲気がたまらない。16年前に初めてタイ国鉄に乗った頃はまだ木製の座席だったけれど、今はビニールに変わっている。それでも直角の座席で、扇風機があり、窓は全開に開いている。名残を証明する物はなくても、やっぱり日本から払い下げられた車両かなという臭いはした。日本では乗ったことないけれど。
発車して窓全開だから、線路を走る音がいい、窓から入る風が心地いい。乗客たちも実にのんびりしていて、座席越しに興味津々覗いてくる坊主、ばあちゃんと語り合う坊主、などなど見ていると心が和んだ。腹が減ると車内販売の団子やフルーツを買って食べ、混み合ってくると席を譲り合っったり、ドア全開のデッキでタバコ吸ったり、あっという間に4時間は過ぎ、鈍行客車列車が不釣り合いなビルが乱立するバンコクに到着した。
バンコクのターミナル、ファランポーン駅。ここはヨーロッパを思わせる始発駅の雰囲気が、何度来てもたまらなくいい。天井が凄く高くて、ステンドガラスがはめ込まれていて、適度な暗さもターミナルって感じがする。そして時間は18時過ぎで寝台列車が各ホームに停まっていて、鈍行列車が着いた隣には、なんとJRブルートレイン(たぶん14系で色そのまま)を発見した。さらに歩くと、紫に塗装されたJRブルートレイン(こちらは24系)が停まっている。しかも行き先はチェンマイで、最後尾にはA寝台個室。これは乗るしかないでしょうと、急いで切符売り場へ行った。
目的の列車は19:20発、30分後に発車するという。個室の1等を買おうとしたら「高いから」と、2等B寝台900バーツの券を買わされた。親切心だけれど、ホームまで行きやっぱり個室に乗りたくて、買い直した。1等A寝台1900バーツ。5000円くらいでチェンマイまで行けるのだから、高くはない。
早速乗り込むと、JR時代そのままのキレイな個室だった。日本では高くて乗ったことがない念願のA寝台。ちゃんと部屋の洗面台の水まで出た。静かにターミナルを出発した寝台列車は快適そのもので、思いがけない旅のワクワクした。
出発して間もなく、夕食のオーダーを取りに来た。何の説明もなくメニュー表を見せられ「どれにする?」というから、てっきり夕食も料金に入っているんだと思った。以前、昼の特急に乗ったときも料理が出てきた。だから何の迷いもなく料理を選び、ビールを頼む。食堂車は付いているけれど、料理もビールも個室まで運んでくれた。料理は至って普通な感じだけれど、ビールのおかわりが次々来て実にいい気分。
いやぁ、最高の旅だなとしたたか酔っぱらっていたら、最後に料金の請求が来た。その額、1000バーツ。いやいや払うのを確認しなかったのはこっちが悪かったとしても、こんな料理500バーツでも高いでしょと思った。と、いつもは闘うけれど、こんな最高な旅を壊したくなかったから、快く払う。するとウエイターはニヤリ顔。やっぱ、やられたな。
そんなこんなあったけれど、全て忘れて寝台を楽しんだ。やっぱりいいなぁと本を読んでいたら、いつの間にか眠ってしまっていた。


◆パタヤでの宿泊先


◆パタヤ駅




◆3等鈍行列車の車内




ファランポーン




◆チェンマイ行き寝台列車