seigoy's diary

旅人間。山やスキー場、京都、アジア中心に彷徨ってます。それに伴って、カメラや車、パソコンが大好き。

山歩きのオキテ

山歩きのオキテ―山小屋の主人が教える11章 (新潮文庫)

山歩きのオキテ―山小屋の主人が教える11章 (新潮文庫)


「どうせ山歩きの入門編みたいな本だろう」と本屋で立ち読みしていたら、結構な毒舌で登山者たちを書き下していたから、ちょっと違うなと思い買ってしまった。
多くは山の掟に従わない登山客を、山小屋主人の体験談に織り交ぜて書かれている。その体験談に出てくる登山客などが最低レベルだから、本当にいるのかよと思ってしまうくらい酷い。入門者は逆に読まない方がいいかも…。でも、面白かった。


山には、いろんなことがある。この本の通り、その山のことは山小屋主人に聞くべき。山小屋主人は、すごい。
自分も学生時代に山小屋でアルバイトをしていた。白馬猿倉荘。
不自由な身体で乗り込んでいき、何日間か居候しながら無給で働いてたら、山小屋主人をはじめスタッフたちが認めてくれた。それからというもの怒られながらも、いろんな事を教わり、いろんな事を経験し、いろんな事を任されるようになった。初めて社会勉強をした感じだった。
そんな中で、最低な登山客から、善良な登山客まで、いろいろ見てきた。登山口だけあって宿泊客は少ない方だったから、食後は日本酒で語り合う事もしばしば。宿泊客に「あんたは凄い。ほうきの使い方を見ればわかる。」って言われた時は、初めて仕事が認められた感じで嬉しかったなぁ。
「もう自分には山小屋の仕事しかない」って、山小屋にずっと残りたいと思った。
でも、今後ついていこうと思った人が、小屋内の人間関係の内紛で突然姿を消してしまった(これも初の人生勉強)。そして自分も右往左往しながら、結局は下界に戻った。
この本の山小屋主人の話を読みながら、めちゃ懐かしい想い出に浸っていた。