遠い太鼓
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1993/04/05
- メディア: 文庫
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旅の間に読んでいた本。500頁以上もある分厚い文庫本なんだけれど、面白くてすらすら読んでしまった。
村上春樹が日本を飛び出して、3年間ギリシャやイタリアなどで生活しながら旅していく。シーズンオフの観光地にやってきてわびしい気持ちになったり、イタリアのいい加減さに辟易したり、旅はこんなもんさと言わんばかりと殴り書いているのが面白い。「そうそう」と諦めも旅なんだと共感したりした。なんか同じ時期にギリシャの島々へ行ったり、いい加減なイタリアで散々な目に遭ってみたいとも思ってしまった。
またこんな期間に『ノルウェーの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』が誕生したのには驚いた。違った環境だから出来たんだろうなぁと思う。そういえば『ダンス・ダンス・ダンス』はまだ未読だから読まないとな。
いつも読むアジア旅行記ではなくヨーロッパで、1人旅じゃなく夫人同伴の旅は新鮮だった。どたばたな旅で文句を言いながらも、ずっと一緒に旅するのが微笑ましかった。