ひとびとの跫音
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1995/02
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『坂の上の雲』がNHKで放映され始め正岡子規のことがもっと知りたくなって、この本を読み始めた。でも子規の子孫が中心となっていた。
司馬遼太郎らしく挿話や脱線が最初から多く、しかもあまり有名人じゃない人々の話だから、訳わからなくなってくる。もう読むのはよそうかなと思ったくらいだったけれど、だんだん時代背景や人間関係がわかってくると面白くなってきた。
子規の妹、律のその後の教師生活や、タカジという詩人(ぬやまひろし)の共産党員生活は、リアルさがあって考え方にも引き込まれてしまった。そして主人公ともいえる子規の養子、忠三郎は、自分が文学者じゃないのにいろんな文学者との交友があって死ぬまで慕われる姿は、なんかいいなぁって感じだった。子規の子孫だということを表に出していないのも関わらず。
正岡子規が中心じゃなかったけれど、なんか読み終わっていい本だったなぁと思った。いろんな人生を味わった感じ。
さて、やっぱり大長編『坂の上の雲』、読もうかな。