斜陽
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/05
- メディア: 文庫
- 購入: 10人 クリック: 58回
- この商品を含むブログ (282件) を見る
また太宰作品を読みふけっていた。暗いとわかりながらも、作品に力があり引き込まれる世界があるからなんか読んでしまう。
「人間失格」と並んで大作であるこの作品を、まだ読んでいなかった。戦前は華やかだった貴族が戦後になって一般市民に陥落していく様を斜陽に例えて、その光と共に落ちていく人間とそのわずかな光を望みに必死に生きていく人間の物語って感じかな。でも生きていくにしても明るさはなくて、暗いままに終わっていく。その後を考えさせるような感じで。すごく良かった。
太宰作品によくある私小説的じゃないんだけれど、それぞれの登場人物が太宰の分身のような気もする。戦後の落ちぶれていく気持ちからこんな作品が生まれたんだろうと、暗さの中から光を求めようとする感じがした。
なんかうまく感想がまとまらないし、違う感じもする。何度も読まないとわからないかも…。